《医・衣・食》
イヌと人が一緒に暮らすにはさまざまなテーマがあります。イヌ独自の豊かな表情や行動を理解し、私たちが家族に「いつまでも健康であってほしい。いつも快適であってほしい。」と願うように、イヌの健康と幸せな生活を願う飼い主の心理を理解した自主的社会参加、健康管理、成長管理、看護、介護、のあり方を学ぶなど、共に暮らすイヌの「医.衣.食・住」を考えることは私たち人間の生活を考えることにもなります。
《住》
世間では「ペット共生住宅」という言葉が何か特別なものを意味するかのように一人歩きしていますが、どんな家だってイヌが家の中に居れば「共生」することになるのだから、とりたてて騒ぐほどのことではないのかもしれません。
犬は昔から人の側にいて仕事をしてきました。彼らは今も変わらず仕事をしたがっているのですが、人間が彼らに求めるものが変化してしまいました。コンパニオンアニマル《伴侶動物》として人の側に居て欲しいと強く望まれるようになったのです。 どのように側に居て欲しいのかは各家族によって違います。そして犬にとっての家族(=群)の構成員は、ほとんどが人間なわけですから、客観的に見ると、私たちは彼らの精神に大きな影響を与えていると言えるでしょう。 もちろん生活の場である家もその要素になります。犬は犬の生活を勝手に送っているわけではなく、依存するそれぞれの飼い主の影響を受けながら生活しています。 飼い主が機会を持って促さないと子犬は十分な社会化期を過ごすことができませんし、人間のように自主的な社会参加を通して規範的な行動を自覚することもありません。 飼い主が最後まで全てにおいて責任を持って共に生きなければならない。故に「共生」なのです。
つまり、イヌを対象とした「ペット共生住宅」とはイヌ用の設備や特別な建材を用いた「箱」のことではなく、「新しい家族形態」に対応できる住宅のことなのです。
私たちはこれら《医.衣.食.住》の潜在的なニーズを明確化し、顕在化させるとともに、顕在化したニーズに対して、新たな発想で商品やサービスの提案をします。